※本記事は公開日(令和6年6月3日)時点の法律をもとに執筆しています。

社労士
森澤 宏太

こんにちは。岡山市の社労士、森澤です。

日本国内で働く外国人労働者の数は年々増加しており、新たに外国人を雇用する事業所も増えています。

外国人雇用についてお悩みの事業所も多いのではないでしょうか?

本記事では、「新たに外国人を雇用することになったけど、どのような届出が必要かわからない」といった事業所に向けて、外国人を雇用する際に必要な労働・社会保険関係の届出についてご案内します。

目次

1.労働保険・社会保険について

2.外国人雇用状況の届出について

 2.1 届出の対象者

 2.2 届出のために確認が必要な事項

 2.3 届出の方法

  2.3.1 雇用保険の被保険者となる場合(雇入れ時)

  2.3.2 雇用保険の被保険者となる場合(離職時) 

  2.3.3 雇用保険の被保険者とならない場合(雇入れ・離職時) 

3.まとめ

1.労働保険・社会保険について

外国人労働者にも労働保険や社会保険が適用されるため、加入要件を満たす外国人労働者は被保険者となります。

日本人を雇う場合と同様に、加入要件を確認したうえで、資格取得届等の手続きが必要です。

2.外国人雇用状況の届出について

労働保険・社会保険の資格取得届等とは別に、労働施策総合推進法により外国人労働者の雇入れや離職の際に、氏名や在留資格などの情報をハローワークに届け出ることが義務付けられています。この手続きを「外国人雇用状況の届出」といいます。

2.1 届出の対象者

日本の国籍をもたない方で、在留資格「外交」、「公用」以外の方が対象となります。

「特別永住者」については、外国人雇用状況の届出制度の対象外のため、届出の必要はありません。

2.2 届出のために確認が必要な事項

外国人労働者の在留カードまたはパスポートの提示を求め、以下の事項を確認してください。(在留カード等のコピーをハローワークに提出する必要はありません。)

  • 氏名
  • 在留資格
  • 在留期間
  • 生年月日
  • 性別
  • 国籍・地域
  • 資格外活動許可の有無 (在留資格「留学」、「家族滞在」等の外国人が資格外活動許可を受けて就労する場合は、資格外活動許可を受けているかを在留カード等で必ず確認してください)
  • 在留カード番号

2.3 届出の方法

届出の対象となる外国人が雇用保険の被保険者となるかどうかで、使用様式、届出先ハローワークや提出期限等が異なります。

2.3.1 雇用保険の被保険者となる場合(雇入れ時)

「雇用保険被保険者資格取得届」に在留資格などの必要な情報を記入して届出することで、外国人雇用状況の雇入れ届出を行ったことになります。

使用様式雇用保険被保険者資格取得届(17~23欄に外国人雇用状況の届出にかかわる事項を記載します)
届出先雇用保険被保険者資格取得届を届け出るハローワーク(電子申請も可能)
届出期限雇用保険被保険者資格取得届の提出期限と同じ(雇入れた日の翌月10日まで)

2.3.2 雇用保険の被保険者となる場合(離職時) 

「雇用保険被保険者資格喪失届」に在留資格などの必要な情報を記入して届出することで、外国人雇用状況の離職の届出を行ったことになります。

使用様式雇用保険被保険者資格喪失届(裏面14~19欄に外国人雇用状況の届出にかかわる事項を記載します)
届出先雇用保険被保険者資格喪失届を届け出るハローワーク(電子申請も可能)
届出期限雇用保険被保険者資格喪失届の提出期限と同じ(退職した日の翌々日から10日以内)

2.3.3 雇用保険の被保険者とならない場合(雇入れ・離職時) 

雇用保険の被保険者とならない場合は、「外国人雇用状況届出書」を届け出る必要があります。

使用様式外国人雇用状況届出書(様式第3号) ※届出様式(厚生労働省リンク)https://www.mhlw.go.jp/content/001059771.pdf
届出先勤務する事業所施設の住所を管轄するハローワーク (電子申請も可能)
届出期限翌月の末日まで(雇入れ・離職ともに同じ)

3.まとめ

労働保険・社会保険は、外国人に対しても適用されるため、日本人と同様の手続きを行う必要があります。

外国人雇用状況の届出については、外国人労働者の雇入れや離職の際には、雇用保険の被保険者となるかどうかに関係なくハローワークに届出を行うことが義務付けられています。
雇用保険の被保険者となる場合は、雇用保険被保険者資格取得届や喪失届と同時に手続きができますが、雇用保険の被保険者とならない場合は、専用の様式で届出ををしなければならないため手続きを忘れないように気をつける必要があります。

詳細については、下記の厚生労働省のリンクを参照してください。

厚生労働省 「外国人雇用はルールを守って適正に(令和6年6月版)」https://www.mhlw.go.jp/content/11655000/001100538.pdf

厚生労働省 「外国人雇用対策 Employment Policy for Foreign Workers」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/gaikokujin/index.html


(出典)

「外国人雇用はルールを守って適正に(令和6年6月版)」(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/content/11655000/001100538.pdf)(2024年6月3日に利用)